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ワイヤーソーイング工法

この記事を要約すると、、、
  • ワイヤーソーイング工法は、ダイヤモンドワイヤーによる強力な切断で、形状や大きさを問わず対応可能
  • 低振動・低粉塵・低騒音で、生活圏や密集地、特殊条件下での作業に適している
  • 湿式と乾式の選択肢があり、環境や用途に応じた柔軟な施工が可能
この工法を利用することで、大規模構造物や特殊な条件下でも安全かつ効率的な切断作業が実現でき、幅広いニーズに対応できます。

ワイヤーソーイング工法の特徴

ダイヤモンドワイヤーを用いた強力なカッティング工法

ワイヤーソーイング工法は、ダイヤモンドが埋め込まれた直径約10mmのワイヤーを対象物に巻き付け、油圧装置の力でワイヤーを高速回転させながら引っ張り込むことで対象物を切断する工法です。

ワイヤーソーイング工法の特徴はその強力な切断力で、ダムや立体駐車場、橋梁などの大規模なコンクリート建築物でも切断できます。
加えて、騒音や粉塵が発生しにくく、遠隔操作にも対応しているという特徴も持ちます。

大規模な対象物も切断可能、遠隔操作にも対応

ほとんど全ての構造物を切断できるワイヤーソーイング工法は、大規模なコンクリート建築物や、他の工法では対応できないようないびつな形の構造物を切断する場合に適した施工方法です。
切断できる対象物としては、立体駐車場やダム、橋梁などの大きな建築物が挙げられます。

また、ワイヤーソーイング工法は遠隔操作が可能であるため、上下水道などの地中や水中の構造物や、狭所、高所での解体作業にも対応できる工法です。

低騒音、振動と粉塵はほとんど発生しない

ダイヤモンド製のワイヤーを用いて対象物を切断するワイヤーソーイング工法は、切断時に振動と粉塵がほとんど発生しない施工方法です。
騒音に関してはどうしても発生はするものの、その大きさは50〜65デシベル程度にとどまるため、一般的なコンクリートはつり工事と比べると周囲への騒音被害を抑えられます。

低騒音、低振動、低粉塵でありながら、ワイヤーを巻きつけさえすればほとんど全ての対象物を切断できるワイヤーソーイング工法は、様々な工事現場で活用されています。

湿式と乾式

ワイヤーソー工法には、切断時に水を使用する湿式工法と水を使用しない乾式工法があります。

湿式工法は冷却が早く、粉塵も少ないことから作業時間の短縮が可能です。しかし、多くの水を使用することや切削泥水が発生することから、現場の養生や多量の水の確保、切削泥水の処理などが必要となります。そのため、建物や機材が隣接する場所や排水設備がない場所での作業には向いていません。

乾式工法は、水を使わないため現場の養生や切削泥水の処理が不要です。低騒音で水漏れの心配もないことから、他の階で営業中のオフィスビルの工事にも対応します。

乾式ワイヤーソー工法の用途

生活圏内での使用

早い対応が必要な案件

形状やサイズに左右されない

湿式ワイヤーソー工法の用途

生活圏内での使用

建物の改修や部分撤去

安全対策を怠ると事故につながる

ビル躯体の解体作業中に労災事故が発生した例を紹介します。被害者は、ワイヤーソーを使ってコンクリート壁の切断作業を行っていました。その作業中、ワイヤーソーのワイヤー接合部分が抜けて飛び散り、ワイヤーのダイヤモンドビーズが被害者の胸付近に刺さってしまったのです。

直後救急搬送されましたが、胸部付近の動脈切断による出血性ショックにより死亡。被害者はワイヤーソーの設置場所と切断対象物の直線状に立っていましたが、防護柵などは設置されていませんでした。

このように、安全対策を怠ると事故につながります。作業中、事故を起こさないための対策は必須です。

参照元:一新総合法律事務所
(https://www.roudousaigai-bengoshi.com/case/高速回転する機械を使用して切断作業を行ってい/)

ワイヤーソーイング工法に対応している長野の業者一覧

2025年3月24日時点、長野県切断穿孔協会の会員企業のうち、公式HPにワイヤーソーイング工法に対応している旨の記載があった企業を掲載しています。

東海カッター興業

所在地 (長野営業所)長野県松本市島立2235-17
取扱業務
  • コンクリート切断工事
  • 汚泥水処分
建設業許可番号
  • 国土交通大臣 許可(般-2)第18723号
  • 土木工事業、とび・土工工事業
  • 舗装工事業、塗装工事業、解体工事業

株式会社トータス

所在地 長野県塩尻市広丘吉田276-17
取扱業務
  • 道路カッター工事、乾式カッター工事
  • X線、電磁波レーダーによる非破壊検査
  • 耐震補強工事(あと施工アンカー、スリット施工)
  • 乾式グルービング
  • W2R工法によるバリアフリー工事
  • コンクリート構造物の静的破砕工事
  • ウォールソー、ワイヤーソー、ダイヤモンド削孔工事
    (上記工事に伴う)汚泥の中間処理・処分
建設業許可番号
  • 長野県 建築業 長野県知事許可(般-30)第20622号
  • 長野県 産業廃棄物収集運搬業 2014132851
  • 長野県 産業廃棄物処分業 2024132851
  • 山梨県 産業廃棄物収集運搬業 01900132851

松井商事株式会社

所在地 長野県松本市筑摩3-30-13
取扱業務
  • 日本ヒルティ社製工具類の販売・修理
  • 建設資材の販売
  • その他工具類の販売
  • アンカー施工、切断穿孔工事
  • 鉄筋探査・耐力試験工事
建設業許可番号 記載なし

ワイヤーソーイング工法のまとめ

対象物や切断方向に制限がない強力なカッティング

ワイヤーソーイング工法を用いるメリットは、その強力な切断力によって大規模な構造物でもカッティングできる点です。
ワイヤーの長さや巻き付け方を調整すれば、対象物を問わず縦、横、斜めの方向に切断できます。

また、機械の導入台数を増やせばその分だけ工事スケジュールが短くなるため、コストダウンにつながる可能性もあります。

【工事場面に合った工法・特徴で選ぶ】長野のカッター工事会社3選

道路・橋梁の工事なら

東海カッター
東海カッター
引用元:東洋カッター公式HP
https://www.tokai-cutter.co.jp/strong/

「短工期」を求める現場で
交通路に適した工法と体制

切断サイズ80㎝のパワフルなフラットソーイングが、広範囲のコンクリート切断や道路工事において、工期短縮に貢献。
計画から施工、工事後の廃棄物処理まで自社内でスピーディに対応できる。

家屋・ビルの解体なら

開渡
開渡
引用元:開渡公式HP
https://www.kaito-group.com/jigyo/kaitai/cutter/

騒音・振動・粉塵の少ない
「近隣に配慮」した機材

湿式でホコリが出づらく、電動のためエンジン音が少ないパワーカッターを採用。
また、一般的な打撃解体と比べて騒音や振動が起こりづらいバースター工法にも対応。

目地・区画線改修なら

日本水機工
日本水機工
引用元:日本水機工公式HP
https://www.j-mizukikou.jp/service

「仕上がり」重視の工事で
発揮される表面処理技術

コンクリート打設後の目地切事例が多くあり、石畳風のデザインカッター工にも対応
劣化したコンクリートだけを的確に除去できるウォータージェット工法の実績も多数。