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フラットソーイング工法

この記事を要約すると、、、
  • フラットソーイング工法は、レール不要で迅速に床板や道路の切断が可能な効率的な工法
  • アスファルトやコンクリート製の床面の切断、新設コンクリートの目地加工など幅広い用途に対応
  • 排気ガスの発生があるため換気が必要で、騒音や振動は使用する道路カッターの性能に依存
この工法を活用することで、床面の切断作業をスムーズに進められます。環境条件に注意すれば、迅速で効率的な施工が実現可能です。

フラットソーイング工法の特徴

スムーズに着工と切断が可能

フラットソーイング工法は、道路カッターと呼ばれる機械を使って、橋梁や道路などの床板やコンクリート二次製品を切断する工法です。
似た工法にウォールソーイングがありますが、フラットソーイングはレールを敷く必要がないため、ウォールソーイングと比べるとすぐに着工できてかつ切断スピードも速いです。

一方で、レールの上をモーター式のカッターが走るウォールソーイングと異なり、フラットソーイングは人力での操作になるため切り口の精度はウォールソーイングに劣ります。

排気ガスが出るため換気が必要

床面をカットするフラットソーイング工法は、アスファルトやコンクリートでできた道路や床板の切断などの場面で、機材の使用に伴って発生する排気ガスを換気できる場合に適した施工方法です。

切断できる対象物としては、土間コンクリートで造られた道路や鉄筋コンクリート造りの構造物などが挙げられます。
また、新設したコンクリートに目地を入れたいときにもフラットソーイング工法が使われます。

騒音や振動は道路カッターの性能次第

道路カッターを用いるフラットソーイング工法は、汚泥水吸引装置やドライカッター機を使用することで周囲への粉塵被害を最小限に抑えられる施工方法です。

騒音と振動に関しては、工事に用いる道路カッターの性能に依る部分が大きいと言えます。一般的に道路カッターの使用によって発生する振動は35〜50デシベルとされており、それに伴って発生する騒音は63〜80デシベルと大きい傾向があります。
建設業者によっては自社で保有する道路カッターの低騒音性を強みとしている場合もあるため、フラットソーイングを依頼する際には建設業者のホームページなどを確認して、保有する機械のスペックをチェックすることをおすすめします。

現場でのフラットソーイング工法活用例

フラットソーイング工法は、コンクリートの床や舗装などをダイヤモンドの刃が付いたブレードで精密に切断する技術です。建物の改修や解体などで、必要な部分だけを取り除く役割を果たします。この工法は、現場の状況に合わせて主に2種類の方法が使い分けられます。

湿式と乾式があり、現場で水が使えるか、また粉塵の管理がどれだけ厳しいかによって、工法が選ばれます。

建物改修での活用

フラットソーイング工法は、既存の構造物への影響を抑えたい改修工事で使われる技術です。具体的には、劣化したアスファルトやコンクリート舗装の補修で、損傷した部分だけを四角く正確に切り取ります。これにより、補修範囲を広げすぎず、健全な部分へのダメージを防ぐことが可能です。また、電気や水道管などを地面に埋める工事では、掘削する前に舗装を直線的に切断し、重機による不要な破壊や周辺へのひび割れを防ぐことができます。

また、新しいコンクリート床のひび割れを抑制する「予防保全」にも活用されます。乾燥によって不規則なひび割れが発生するのを防ぐため、あらかじめ計画的に溝(誘発目地)を設けます。この溝にひび割れを集中させることで、床全体の耐久性と美観を長く保ちます。

建物解体での活用

建物の解体工事では、構造物を計画的にブロック状へ切り分ける「分離解体」の際に重要な役割を担います。重機で一気に建物を壊す工法は、大きな騒音や振動、粉塵の発生する点が課題です。フラットソーイング工法は、事前に床などをクレーンで吊り上げられる大きさに切断し、重機による解体作業中の予期せぬ崩壊リスクを大幅に減らせます。

融雪溝の設置での活用

降雪地域において、道路の凍結を防ぐために融雪水を効率的に排水するための溝を切断する工事でもフラットソーイング工法は活用されています。必要な幅や長さに応じて、精度高くできる点が魅力です。

開口部の新設での活用

建物の用途変更や機能向上のために、床に新しい開口部を設ける際にも採用される工法です。

たとえば、空調設備やエレベーターを新しく設置する場合、床に四角い開口部を正確に作る必要があります。フラットソーイング工法は、振動が少なく、建物の構造体へのダメージを最小限に抑えながら作業を進められます。切断面が非常に滑らかで、角の欠けも少ないため、後処理や仕上げ工事がしやすくなり、施工品質全体の向上につながります。

フラットソーイング工法に対応している長野の業者一覧

2025年3月24日時点、長野県切断穿孔協会の会員企業のうち、公式HPにフラットソーイング工法に対応している旨の記載があった企業を掲載しています。

東海カッター興業

所在地 (長野営業所)長野県松本市島立2235-17
取扱業務
  • コンクリート切断工事
  • 汚泥水処分
建設業許可番号
  • 国土交通大臣 許可(般-2)第18723号
  • 土木工事業、とび・土工工事業
  • 舗装工事業、塗装工事業、解体工事業

フラットソーイング工法のまとめ

床板を効率的に切断、作業時は換気が必須

下方向のカッティングに特化したフラットソーイング工法は、アスファルト製やコンクリート製の床板を効率的に切断できる点がメリットです。
新設したコンクリートにひび割れ防止の目地を入れたり、基礎解体を進める前に補助の切り込みを入れたりという場面でも活躍します。
デメリットとしては、換気が困難な作業現場ではエンジン式の道路カッターが使用できない点が挙げられます。

【工事場面に合った工法・特徴で選ぶ】長野のカッター工事会社3選

道路・橋梁の工事なら

東海カッター
東海カッター
引用元:東洋カッター公式HP
https://www.tokai-cutter.co.jp/strong/

「短工期」を求める現場で
交通路に適した工法と体制

切断サイズ80㎝のパワフルなフラットソーイングが、広範囲のコンクリート切断や道路工事において、工期短縮に貢献。
計画から施工、工事後の廃棄物処理まで自社内でスピーディに対応できる。

対応現場数
10種

道路ビル鉄道橋梁工場ダム煙突滑走路トンネル公共施設

家屋・ビルの解体なら

開渡
開渡
引用元:開渡公式HP
https://www.kaito-group.com/jigyo/kaitai/cutter/

騒音・振動・粉塵の少ない
「近隣に配慮」した機材

湿式でホコリが出づらく、電動のためエンジン音が少ないパワーカッターを採用。
また、一般的な打撃解体と比べて騒音や振動が起こりづらいバースター工法にも対応。

対応現場数
2種

家屋ビル

目地・区画線改修なら

日本水機工
日本水機工
引用元:日本水機工公式HP
https://www.j-mizukikou.jp/service

「仕上がり」重視の工事で
発揮される表面処理技術

コンクリート打設後の目地切事例が多くあり、石畳風のデザインカッター工にも対応
劣化したコンクリートだけを的確に除去できるウォータージェット工法の実績も多数。

対応現場数
6種

道路ビル橋梁下水道発電所公共施設