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グルービング工法

この記事を要約すると、、、
  • グルービング工法は道路に切れ込みを入れ、滑り止め効果や排水機能を高める工法
  • 高速道路や空港滑走路などで採用され、ハイドロプレーニング現象や凍結を防止
  • 専用機器を用いた施工で騒音や振動が発生するが、作業範囲は片側車線規制内に収まる
この工法を利用することで、雨天や冬季の道路安全性を向上させ、交通事故を未然に防ぐための効果的な対策が可能になります。

グルービング工法の特徴

道路に切れ込みを入れて滑り止め効果を高める

グルービング工法は、道路などの表面に切れ込みを入れることによって排水機能を持たせ、雨天時に道路を走る走行物の制動距離を短縮させるための工法です。
雨天時に乗り物のタイヤが路面の水溜りに浮いてしまい、ブレーキやハンドルが効かなくなるハイドロプレーニング現象を防ぐために施されます。

高速道路や滑走路に施される工法

道路表面の滑り止めに効果を発揮するグルービング工法は、高速道路や空港の滑走路などの道路表面を施工する際に用いられる工法です。
作業に必要なスペースは片側車線規制の範囲内で収まるため、交通渋滞への影響を最小限に抑えられる工法です。
切断できる対象物としては、一般的な道路に使われているアスファルトだけでなく、滑走路などの頑丈なコンクリート舗装の構造物も含まれます。

騒音や振動のレベルは機械次第

専用のグルーバーを用いて施工を実施するグルービング工法は、グルーバーの性能次第では低騒音、低振動低粉塵での工事が可能な施工方法です。
一般道路などに使われる小型グルーバーに比べると、高速道路や滑走路に使われるグルーバーの方がカッティング幅が広く、要する馬力も大きいため、必然的に発生する騒音や振動も大きくなると言えます。
グルービング工法は、主に空港の滑走路や高速道路など人通りが少ない工事現場で用いられるため、多少の騒音は許容できる工法とも言えます。

グルービング工法で用いられる溝の一般的な仕様は、幅6〜9mm、深さ4〜6mm、間隔40〜60mmとされています。切削にはダイヤモンドカッタを装備した専用の切断機械(グルーバー)を使用し、高い精度で路面やコンクリート面に溝を形成します。施工箇所や目的に応じて溝の幅・深さ・間隔を調整できるため、道路や空港から施設内の床面まで、さまざまな環境に合わせた柔軟な施工が可能です。

現場での活用例

グルービング工法の施工画像
引用元:グルービング工法 - 一般社団法人日本道路建設業協会(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/grube.html

グルービング工法とは、舗装表面に物理的な「溝」を刻み込むことで、路面のすべり抵抗と排水機能を大幅に向上させる表面処理技術です。

単なる滑り止めとしての機能にとどまらず、道路線形の弱点補強や産業施設の安全対策など、さまざまな場面で役立っています。具体的にどのような現場で採用されているのか、その活用事例をまとめました。

道路インフラでの活用

道路におけるグルービングは、事故多発地点やカーブなどの条件が厳しい区間における「標準的な安全対策」として定着しています。

ハイドロプレーニング現象の抑制 雨天時の高速走行によってタイヤが水膜に乗り、浮き上がってしまう現象を防ぎます。グルービングによる溝がタイヤ直下の水を逃がす「排水路」として機能し、水膜ができるのを物理的に防ぐ仕組みです。道路の形状や目的に応じて、進行方向への「縦型(パラレル)」と、横方向への「横型(トランスバース)」を使い分けて施工されます。

横型(トランスバース)グルービングには、雨天時の制動性能を大幅に向上させる効果があります。また、横型の溝は車両が通過する際に音と振動を発生させるため、居眠り運転の防止や速度超過に対する注意喚起としても機能します。さらに、カーブ手前の直線部に横型溝を施工して減速を促し、カーブ部分には縦型溝を施工して走行安定性を確保する「縦横併用型」の施工パターンも採用されており、道路環境に応じた多様な安全対策が可能です。

空港・滑走路での活用

空港の滑走路は、グルービング工法が最も厳格に運用される現場のひとつです。

高速離着陸時の安全性確保 時速200km以上で走行する航空機にとって、ハイドロプレーニング現象は命取りになります。大量の雨が降っても瞬時に排水し、オーバーランや滑走路逸脱(Excursion)を防ぐため、滑走路の広範囲に施工が施されます。空港専用の大型マシンを用いることで、夜間の運用時間外(リミテッドタイム)に数千平方メートル単位の施工が可能です。既存の舗装を傷めずに機能だけを回復できるため、滑走路の閉鎖期間を最小限に抑えられます。

施設内・特殊環境での活用

道路や空港以外の民間施設においても、グルービングによる「物理的なグリップ力」は、生産性の向上や事故防止に大きく貢献しています。

物流倉庫や工場の床、特にエポキシ塗装や金鏝(かなごて)仕上げのコンクリートは、水や油が付着すると非常に滑りやすくなります。フォークリフトのスリップは、荷崩れや人身事故に直結しかねません。そこで、通路や傾斜路(スロープ)へ施工を行うことでタイヤのグリップ力を確保し、安全な搬送作業を実現します。

グルービング工法は、道路や空港以外にもさまざまな施設で活用されています。ガソリンスタンドでは水分や油分の排水を促進し、来客の足元の安全を確保する目的で施工されています。プールサイドでは、濡れた床面での転倒事故を防止するための滑り止め処理として採用されています。

このほか、ゴルフ場のカート道ではリモコンカートの操縦性安定と走行時の安全性強化に役立てられています。商店街では美観と防滑効果を兼ねた化粧目地グルービングとして活用されるなど、グルービング工法の適用範囲は多岐にわたります。

畜舎・牛舎での活用

酪農現場での活用も注目されています。 牛舎のコンクリート床が摩耗してツルツルになると、牛が転倒し、脱臼や骨折などの事故につながります。これは「廃用(経済動物としての価値喪失)」という甚大な損失を招いてしまいます。グルービングで適切な深さとパターンの溝を切ることで、牛の蹄(ひづめ)がしっかりと床に掛かるようになります。転倒事故の防止に加え、「滑るかもしれない」という歩行・起立への恐怖心が消えることで牛のストレスが減少します。結果として、乳量・肉質の向上などにもつながります。

グルービング工法における施工・運用時の注意点

数多くのメリットと安全向上効果を持つグルービング工法ですが、実際の施工や運用においては以下の点に注意する必要があります。

騒音・振動への配慮

専用のグルーバー、特に空港や高速道路で用いるカッティング幅が広く馬力の大きい機材では、必然的に騒音や振動が発生します。市街地や住宅街の近郊で施工を行う場合には、低騒音・低振動の機材を選択するほか、事前の周知や作業時間帯の調整など、周辺環境への十分な配慮が不可欠です。

切断汚泥(濁水)の適正処理

コンクリートやアスファルトを切削する際、摩擦熱を抑えるための冷却水を使用するため、削りカスが混ざった「カッター汚泥」が発生します。これは産業廃棄物に指定されているため、ウォーター・リサイクル工法の活用や専門業者による適切な回収など、法令に則った適正な処理が義務付けられています。

二輪車走行時のハンドルのブレ(ワンダリング現象)

縦型(パラレル)グルービングが施された路面では、バイクや自転車などタイヤの細い二輪車が走行する際、タイヤが溝の隙間に取られてハンドルが左右にブレる現象が起こりやすくなります。二輪車の通行量が多い生活道路などでは、溝の幅や間隔を細かく調整するか、別の滑り止め対策(カラー舗装など)との併用を検討する必要があります。

寒冷地における凍結リスク

排水性を高める溝ですが、排出しきれなかった水分が溝内に残ったまま急激に冷え込むと、溝の中で氷柱状に凍結する恐れがあります。その場合、本来のグリップ力が低下する可能性があるため、寒冷地では冬季の融雪剤散布など、路面状況に応じたこまめな維持管理が求められます。

既存舗装の劣化とひび割れリスク

グルービングは路面そのものに物理的な切り込みを入れるため、少なからず舗装の強度を低下させる側面があります。特に施工対象となるアスファルトやコンクリートがすでに経年劣化している場合、刻まれた溝を起点としてひび割れ(クラック)や欠け、剥がれが急速に進行しやすくなります。そのため、事前の路面調査で舗装の厚みや劣化具合を正確に把握し、状態によっては事前の補修作業や、別の滑り止め対策への切り替えを検討する必要があります。

目詰まりによる機能低下と定期メンテナンス

長期間にわたって運用していると、車のタイヤから出る摩耗粉や土砂、落ち葉などのゴミが溝の中に堆積し、「目詰まり」を起こすケースがあります。目詰まりが進行すると、本来の目的である排水機能やスリップ防止効果が著しく低下し、ハイドロプレーニング現象のリスクが再び高まってしまいます。これを防ぐためには、施工して終わりではなく、高圧洗浄機や路面清掃車による定期的な清掃を行い、機能を維持する継続的な管理体制が求められます。

グルービング工法に対応している長野の業者一覧

2025年3月24日時点、長野県切断穿孔協会の会員企業のうち、公式HPにグルービング工法に対応している旨の記載があった企業を掲載しています。

東海カッター興業

所在地 (長野営業所)長野県松本市島立2235-17
取扱業務
  • コンクリート切断工事
  • 汚泥水処分
建設業許可番号
  • 国土交通大臣 許可(般-2)第18723号
  • 土木工事業、とび・土工工事業
  • 舗装工事業、塗装工事業、解体工事業

株式会社トータス

所在地 長野県塩尻市広丘吉田276-17
取扱業務
  • 道路カッター工事、乾式カッター工事
  • X線、電磁波レーダーによる非破壊検査
  • 耐震補強工事(あと施工アンカー、スリット施工)
  • 乾式グルービング
  • W2R工法によるバリアフリー工事
  • コンクリート構造物の静的破砕工事
  • ウォールソー、ワイヤーソー、ダイヤモンド削孔工事
    (上記工事に伴う)汚泥の中間処理・処分
建設業許可番号
  • 長野県 建築業 長野県知事許可(般-30)第20622号
  • 長野県 産業廃棄物収集運搬業 2014132851
  • 長野県 産業廃棄物処分業 2024132851
  • 山梨県 産業廃棄物収集運搬業 01900132851

グルービング工法のまとめ

路面の滑り止め工事として全国で採用されている工法

グルービング工法を用いることで、雨天時における施工箇所の滑り止めにつながり、ハイドロプレーニング現象による追突事故などの防止が可能です。
実際にグルービング工法は、全国各地の空港の滑走路や高速道路などに採用されている重要な施工方法です。

また、グルービング加工は路面の凍結を防いだり、雪解けを促進させる効果もあり、道路を常に安全な状態で維持するために有効な工法です。

グルービング工法では、幅6〜9mm、深さ4〜6mmといった溝の寸法を目的に応じて調整でき、ダイヤモンドカッタによる精密な施工が可能です。横型グルービングによる制動距離の短縮(約30〜40%)や、走行時の音と振動を活用した居眠り運転防止効果も報告されています。道路や空港に限らず、ガソリンスタンド・プールサイド・ゴルフ場・商店街など、幅広い環境での安全対策に貢献する工法です。

【工事場面に合った工法・特徴で選ぶ】長野のカッター工事会社3選

道路・橋梁の工事なら

東海カッター
東海カッター
引用元:東洋カッター公式HP
https://www.tokai-cutter.co.jp/strong/

「短工期」を求める現場で
交通路に適した工法と体制

切断サイズ80㎝のパワフルなフラットソーイングが、広範囲のコンクリート切断や道路工事において、工期短縮に貢献。
計画から施工、工事後の廃棄物処理まで自社内でスピーディに対応できる。

対応現場数
10種

道路ビル鉄道橋梁工場ダム煙突滑走路トンネル公共施設

家屋・ビルの解体なら

開渡
開渡
引用元:開渡公式HP
https://www.kaito-group.com/jigyo/kaitai/cutter/

騒音・振動・粉塵の少ない
「近隣に配慮」した機材

湿式でホコリが出づらく、電動のためエンジン音が少ないパワーカッターを採用。
また、一般的な打撃解体と比べて騒音や振動が起こりづらいバースター工法にも対応。

対応現場数
2種

家屋ビル

目地・区画線改修なら

日本水機工
日本水機工
引用元:日本水機工公式HP
https://www.j-mizukikou.jp/service

「仕上がり」重視の工事で
発揮される表面処理技術

コンクリート打設後の目地切事例が多くあり、石畳風のデザインカッター工にも対応
劣化したコンクリートだけを的確に除去できるウォータージェット工法の実績も多数。

対応現場数
6種

道路ビル橋梁下水道発電所公共施設